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東芝、来月20日上場廃止 「物言う海外株主」と手切れ


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 東芝は22日、東京都内で臨時株主総会を開き、上場廃止に向けた株式併合を行うための特別決議を可決した。東芝株は12月20日に上場廃止となり、上場企業としての74年にわたる歴史は幕を閉じる。短期的な収益を求める海外ファンドの「物言う株主」と手を切り、非上場化することで、社会インフラや量子といった分野で腰を据えて成長戦略を実行する。
 島田太郎社長は総会で「東芝はあっと驚く技術で世の中を席巻してきた」と指摘し、日本産業パートナーズ(JIP)など国内連合の傘下に入ることで「安定した株主体制を持ち、革新的な技術を世界に再び輝かせたい」と強調した。
 株式併合は、東芝を買収したJIP陣営が、一般株主の持ち分を強制的に買い取るための手続きの一環だ。JIP陣営は、株式公開買い付け(TOB)で東芝株の78・65%を取得していた。特別決議は株主総会に出席した株主の3分の2以上の賛成で成立した。東京証券取引所は22日、東芝株を投資家に注意を促す整理銘柄に指定した。
 9300万株当たり1株に統合し、一般株主の持ち分は1株に満たない端数となる。JIP陣営は一般株主から残りの株式を買い取り、東芝を完全子会社化する。
 株主で元東芝社員の助川博さん(65)は「残念だ」と語った上で「東芝が立ち上がることは社会に対する義務だ」と指摘した。