バターズ　バターの副産物で菓子　西尾　修平さん　ＨｉＯＬＩ

　「副産物も素材として生かし、おいしいスイーツを作りたい」。ＨｉＯＬＩ（ヒオリ・東京）が２０２０年４月に発売した菓子「バターズ」シリーズが好調だ。バターの製造過程で生まれ、使い道が課題の脱脂粉乳を活用。ミルクの風味豊かな味わいに仕上げた。
　主力の「クラフトバターケーキ」は、２３年１０月末で５００万食を突破。２２年には日本航空のファーストクラスで茶菓子として採用された。３個入りで販売価格は９７２円。
　菓子を食べることで、意識しなくても、社会貢献できるしくみを作りたいと考案。「脱脂粉乳は無脂肪でヘルシー。ミルクの香りも立つ魅力的な素材でもあります」
　同商品は英国・ジャージー牛乳から作られたバターを使用。さくさくとしたガレット生地とふんわりとしたフィナンシェに、脱脂粉乳で作ったミルクジャムを挟み、３層仕立てで焼き上げた。
　食べた時に重たくなり過ぎないよう生地の真ん中は空洞に。これに苦心した。「膨張して割れないように、水分や原料の配合量のほか、オーブンの温度や焼き時間を何度も調整しました」顧客からは「バター菓子なのに重たくない」「手作り感が楽しめる」という声が寄せられる。
　「通信販売もあるが、全国各地で期間限定の店舗を開き、知ってもらうきっかけになれば」と話す。静岡県出身、４３歳。