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佐賀で鳥インフル 養鶏場、今季全国初 4万羽殺処分開始


佐賀で鳥インフル 養鶏場、今季全国初 4万羽殺処分開始 佐賀県鹿島市の養鶏場で殺処分作業を進める関係者=25日午後1時5分(共同通信社ヘリから)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 佐賀県鹿島市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザ感染が疑われる事例が見つかり、県は25日、遺伝子検査の結果、陽性が確認されたと発表した。今後国が確定作業を進める。養鶏場での鳥インフル発生は全国で今季初。県はこの養鶏場で飼育されている約4万羽の殺処分を始めた。26日午前の完了を目指す。国のほか、近隣県も対策会議を開いて警戒を強めた。
 政府は25日、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置。岸田文雄首相は、鳥インフルと考えられる家禽(かきん)が確認された場合、業者に対する予防措置の指導や国民への情報伝達をするよう農林水産省などに指示した。松野博一官房長官が関係閣僚会議で明らかにした。農林水産省も防疫対策本部を開き、宮下一郎農相が疫学調査チーム派遣の方針を示した。佐賀県によると鹿島市重ノ木の養鶏場では採卵鶏を飼育。24日午後に鶏舎10棟のうち2棟で死んでいる鶏が増えていると通報があり簡易検査で陽性反応が出た。25日に県の遺伝子検査で陽性が確認された。同日午前9時ごろから県職員らが現場に展開。延べ200人超が関わり午後4時までに約9500羽を処理した。
 鳥インフルが発生した養鶏場から半径3キロ以内の移動制限区域に他の養鶏場はない。3~10キロ圏内は12の養鶏場があり県は計約25万5千羽について卵を含む域外搬出を制限。養鶏場に消毒用消石灰を配る作業を進めた。