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重要インフラ港湾追加へ サイバー対応、物流維持


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は28日、サイバーセキュリティ基本法が定める「重要インフラ」に港湾を追加する方針を固めた。名古屋港のシステムがサイバー攻撃を受けて物流が停滞したことへの対応。防御力を高めて物流機能の維持につなげる。2023年度内にも同法に基づく行動計画に盛り込み、正式に追加する。
 日本は貿易の多くを海上輸送に依存しており、経済安全保障上の観点からも、対策強化が必要と判断した。攻撃を受けても速やかに復旧させる狙いもある。
 重要インフラは、サイバー攻撃で機能が停止した場合、国民生活や経済活動に大きな影響がある社会基盤。政府は現在、電力や金融など14分野を指定し、サイバー攻撃対策に乗り出している。
 重要インフラを運営する事業者には、人材育成や障害発生を想定した訓練の実施など体制強化のほか、サイバー攻撃を受けた際の情報共有などを求めることができる。
 重要インフラとは別に、経済安全保障推進法に基づく「基幹インフラ」という制度もある。サーバーなど設備の導入時に国が審査する仕組みで、放送や郵便など14分野が対象。高市早苗経済安保担当相が8月、港湾を加える意向を表明しており、政府は法改正する方向で調整している。
 名古屋港のシステム障害は7月に発生。コンテナの搬入、搬出作業が3日間にわたり停止した。