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防衛増税25、26年開始/自民意向 公明は年内決着慎重


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 自民、公明両党が30日、与党税制協議会を開き、2024年度税制改正の主要議題を巡る調整に入った。自民党の宮沢洋一税制調査会長は防衛増税に関し、25年か26年に開始する方向で年末に結論を出す意向を表明。増税批判が高まる可能性があるとして、公明党の西田実仁税調会長は年末決着に慎重姿勢で、自公の温度差が鮮明となった。

 協議会の冒頭、宮沢氏は「大きな課題が山積している」と述べ、西田氏は「最後はしっかり調整して結論を出したい」と語った。西田氏は協議会に先立って記者団の取材に応じ、1人当たり4万円の所得税、住民税の減税を防衛増税と並行して決めることに触れ「政権がどちらに向かっているのか分かりやすく発信することが大事で、国民の皆さんが戸惑う」と指摘。増税開始時期の年末決着は困難との考えを示した。
 政府は防衛財源確保のため法人、所得、たばこの3税を段階的に増税し、27年度時点で1兆円強を確保する方針だ。宮沢氏は増税以外の財源の確保状況を考慮しつつ、年末に開始時期を決めたい考え。
 所得税、住民税の減税の具体策についても自公で溝がある。期間は自民税調が「1年」でおおむね一致しているのに対し、西田氏は協議会で「1回限りと決め打ちするべきではない」との公明党内の意見を紹介した。富裕層を対象から外す所得制限を巡っては、前向きな自民税調では「2千万円」で線引きする案がある一方、公明税調からは慎重な声が漏れる。
 児童手当の支給対象を高校生に拡充することに伴い、高校生のいる子育て世帯の扶養控除の縮小も争点だ。自民税調は所得に関係なく一律で縮小する案を検討しており、公明税調では理解を示す声もある。ただ現状維持を求める意見が複数あり、協議会で共有した。