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ホタテの殻むき ベトナムで拡大/中国以外の輸出支援


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 農林水産省は1日、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出に伴う中国の日本産水産物の輸入停止を受け、ホタテの輸出先を中国以外に広げる計画を公表した。第1弾としてベトナムでの殻むき加工を支援する。
 日本貿易振興機構(ジェトロ)が12月上旬から希望事業者を募り、来年1月に派遣する。ジェトロは事前に加工施設を調査し、輸出に必要な衛生条件などの情報を事業者に提供する。
 日本はこれまで中国にホタテを輸出して加工した上で、米国などの消費地へ輸出する仕組みが定着していた。既に国内事業者の進出実績があるベトナムへの輸出を拡大し、中国依存からの脱却を図る。
 計画ではこのほか、中国の禁輸で打撃を受けたホタテ産地の北海道や東北などで、カナダや米国のバイヤーを招いた商談会を来年2月にかけて順次開く。
 日本食ブームが続く米国への輸出強化も目指す。現地の情報を事業者らに提供する輸出支援拠点を米南部ヒューストンに新設する。1日に農水省で宮下一郎農相と会談した米国のエマニュエル駐日大使は「(中国の)経済的威圧が終わるまで米国は日本とともにある」と強調した。