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全産業経常利益20.1%増/7~9月 3四半期連続プラス


全産業経常利益20.1%増/7~9月 3四半期連続プラス 7~9月期の実質GDP成長率改定値の民間予測
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 財務省が1日発表した7~9月期の法人企業統計は、金融・保険業を除く全産業の経常利益が前年同期比20・1%増の23兆7975億円だった。3四半期連続のプラスで、7~9月期として過去最大となった。新型コロナウイルス禍からの人出回復を背景に小売りなどが好調だった。
 非製造業が40・0%増の14兆2513億円となり、全体を押し上げた。11四半期連続で前年実績を上回った。新規出店や客足の回復により「卸売業、小売業」が伸びた。「電気業」は燃料価格の下落を追い風に黒字に転換した。
 製造業は「情報通信機械」や「業務用機械」が振るわず、0・9%減の9兆5462億円。2四半期ぶりに前年水準を下回った。海外市場でパソコンやスマートフォンの需要が減少したことなどが響いた。
 全産業の設備投資は全産業で3・4%増の12兆4079億円だった。売上高は5・0%増の367兆7350億円。いずれも10四半期連続でプラスになった。
 財務省は設備投資の伸びに関し「景気が緩やかに回復している状況を反映した」との見方を示した。先行きについては海外経済の減速や物価高の影響を注視するとした。
 法人企業統計の結果を受け、民間シンクタンクなど5社は1日、7~9月期国内総生産(GDP)改定値の予測を公表。
 物価変動の影響を除く実質の平均は前期比年率1・8%減で、速報値の2・1%減から上方修正されるとした。速報値時点から設備投資が上振れると見込んだ。