生コッペパン　総菜と菓子系で異なる生地　鈴木　崇義さん　ファミリーマート

　「どの世代が食べてもおいしい商品を作りたい」。ファミリーマートが２０２３年２月に発売した「生コッペパン」が好評だ。素材に生クリームを取り入れ、水分量を多くし、しっとりさせた。総菜と菓子系で異なる生地を使ったのも特徴だ。
　販売価格は１３８～２３８円。発売３週間の売上高は計画比で５割増。販売数量は１０月末で８５００万個を突破した。中高年層には給食を思い出させ、若年層は新鮮さを感じる定番品に。「年配の方には、ぱさぱさしたパンというイメージもあり、これを覆したいと考えました」
　市場ではしっとりパンのほか、“生”をキーワードにしたドーナツなどが流行しており、それも踏まえた。
　たまごや焼きそばを挟んだ総菜パンには、生地に生クリームと水分を多く含ませ、もちっとした食感に。「配合量を調整し、生地にまとまりを持たせるのに苦心しました」
　ピーナツクリームなどを挟んだ菓子パンは、生地をこね上げた後、発酵室で通常の３倍かけて寝かせ、口溶けのよい食感を目指した。「原料のたまごを少し多めにし、通常より低めの温度で焼く工夫を凝らしました」
　顧客からは「今までのコッペパンとは全く異なる」「ケーキのよう」といった声が寄せられる。
　「期間限定商品などで新たな味も取り入れたい」。東京都出身、５２歳。