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年内にも運転解禁判断 柏崎刈羽原発 テロ対策「改善」


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 原子力規制委員会は6日の定例会合で、テロ対策不備により事実上の運転禁止命令を出している東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)の課題が改善され、東電に原発事業者としての適格性があるとする原子力規制庁の報告書案をおおむね了承した。山中伸介委員長は同日午後の記者会見で、現地調査や東電の小早川智明社長との面談を実施した上で、早ければ年内にも命令解除を判断する見通しを示した。
 会合では報告書案に異論は出ず、5人の委員全員がこれ以上の指示の必要はないと表明した。現地調査は山中氏と伴信彦委員が参加する。
 柏崎刈羽原発では2021年1月以降、社員のIDカード不正利用や故障した侵入検知設備の放置などが発覚。規制委は同年4月、核燃料の移動を禁じる命令を出し、規制庁が延べ4268時間の追加検査を実施した。
 報告書案によると、大雪など厳しい自然環境でも監視できる体制整備や、今年5月に社内に設置された核物質防護モニタリング室が改善を主導していると確認。今後問題が起きても、自律的に改善できる仕組みが構築されているとした。
 適格性については、東電が保安規定で約束した「福島第1原発の廃炉をやり遂げる」「経済性より安全性を優先させる」などの基本姿勢を守っていると確認したとした。
 会見で山中氏は「現地調査ではモニタリング室員や改善に取り組んできた現場の職員と意見交換し、検査結果を改めて確認したい」と述べた。