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2023年今年のヒット商品(4) 甘くない酎ハイ


2023年今年のヒット商品(4) 甘くない酎ハイ サントリーの「こだわり酒場のタコハイ」
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 健康志向高まり新商品続々

 健康志向の高まりを背景に、アルコール飲料分野では甘さが控えめの缶酎ハイの売れ行きが好調となった。10月の酒税改正で第三のビールの税額が上がった一方、酎ハイは変わらなかったことも人気を後押し。各社が来年にかけて新商品を投入し、商戦はしばらく続きそうだ。
 レモンサワーが圧倒的な主役だった酎ハイ分野の潮流を変えたのは、キリンビールが2020年に「氷結」シリーズから発売した無糖レモンだ。過去20年に発売したキリンの酎ハイブランドで最もヒットした商品という。これ以降、徐々に甘くない商品に人気が集まった。
 サントリーが今年3月に売り出した「こだわり酒場のタコハイ」は、居酒屋で飲むプレーンサワーを思わせる味が好評を博した。5月には年間販売計画の7割を超え、2倍の500万ケースに計画を上方修正。それも11月上旬には達成した。
 酒税改正では第三のビールの税額が350ミリリットル当たり9円ほど上がり、発泡酒と同じ46円99銭になった。税額が変わらない酎ハイで代替需要を取り込もうと、各社が無糖の新商品を打ち出した。
 サントリーは「―(マイナス)196℃瞬間凍結」の無糖グレープフルーツを発売。キリンは麦焼酎がベースの「上々 焼酎ソーダ」を投入した。サッポロビールも「クラフトスパイスソーダ」を発売。同社はビールを製造する仙台工場(宮城県名取市)を、酎ハイ製造に特化させた。
 アサヒビールは、ジンベースの無糖酎ハイ「GINON(ジノン)」など4品を地域限定で販売した。来年にも新商品を発売する予定だ。

サントリーの「こだわり酒場のタコハイ」