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2023年 今年のヒット商品(5) メンズ日傘 


2023年 今年のヒット商品(5) メンズ日傘  ハンズ町田店に設けられた男性用日傘の特設スペース=5月、東京都町田市
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猛暑で拡大、日焼け防止も
 今年は全国的に記録的な猛暑に見舞われ、男性の間でも日傘の利用が目立つようになった。女性用に比べサイズを大きくするなどした「メンズ日傘」の需要が伸び、百貨店や雑貨店では売り場を拡大して対応した。美容意識が高く、日焼けを嫌う男性の増加も人気の背景にありそうだ。
 横浜高島屋(横浜市)が今年販売した男性用日傘は約40種類。昨年の2倍だ。3~9月の期間の売り上げは昨年比で13%伸長。担当者は「遮熱効果の高い商品を中心に、来年もバリエーションを拡充する」と意気込む。
 ハンズ各店では、有力メーカーのワールドパーティー(大阪市)が展開する商品の特設スペースを設置。4~10月で前年同期の約6倍に上る約6万本が売れた。晴雨兼用の上に遮光率が高いのが特徴で、売り場では実際に遮光性を体感できるコーナーを設けた。
 傘メーカーの小川(名古屋市)では、10月までの1年間の売り上げが前年比65%増えた。小川恭令社長は「日傘を使う男性は増えており、需要はこれからも伸び続ける」と強調した。
 男性専門の医療脱毛専門院「メンズリゼ」は今春、男性716人に調査を実施。「男性の日傘使用をどう思うか」との問いに83%が「肯定的」と答えた。また約7割が「美容に関心がある」と回答。具体的には、日焼けの防止が上位に入った。
 愛用者で東京都江東区の都職員の男性(39)は「明らかに体感温度が下がり、日焼けも防げるので夏場は手放せない。使う男性が増え、恥ずかしさもなくなった」と話す。日本洋傘振興協議会の田中正浩事務局長は「体調管理のため、上手に使ってほしい」と推奨する。 (おわり)