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円高加速、一時141円台/日銀総裁「チャレンジ」受け


円高加速、一時141円台/日銀総裁「チャレンジ」受け 円相場の推移(対ドル、東京市場)
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 8日の東京外国為替市場の円相場は対ドルで前日から一時3円以上急伸し、1ドル=142円台を付けた。7日のニューヨーク市場では一時1ドル=141円60銭と8月上旬以来、約4カ月ぶりの円高ドル安水準となった。日銀の植田和男総裁が国会での質疑で金融緩和策の「出口」を示唆したと意識され、円を買い戻す動きが一気に加速した。
 円高を嫌気し、東京株式市場はほぼ全面安の展開となった。市場関係者は円相場の局面が変わり、今後は円高傾向になると見ている。
 これまで金利が高く運用に有利とされたドルが買われ、11月まで約33年ぶりの水準に迫る円安ドル高が続いていた。
 日本が金融政策の正常化を模索する一方で欧米が利下げに転じれば、円高がさらに進む可能性もある。
 植田氏は7日の参院財政金融委員会で、大規模な金融緩和策の運営を巡り「年末から来年にかけて一段とチャレンジングな状況になると思っている」と発言。政策修正に向けた「地ならし」との見方が市場関係者の間で広がった。
 東京株式市場の日経平均株価(225種)は大幅続落し、終値は前日比550円45銭安の3万2307円86銭と1カ月ぶりの安値を付けた。円高が輸出関連企業の業績を押し下げるとの懸念から売り注文が膨らんだ。