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「150円戻らない」見方


「150円戻らない」見方 市場関係者の円相場を巡る見方
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 8日の東京外国為替市場で円高ドル安が加速した。植田和男日銀総裁の発言をきっかけに大規模金融緩和策の修正観測が広がった。米国は来年利下げに転じ、日米の金利差が縮小することで運用に有利なドルを買う動きが鈍るとみられ、市場関係者からは1ドル=150円台に戻ることはないとの見方が出ている。
 大和証券の石月幸雄シニア為替ストラテジストは「もう1ドル=150円台に戻ることはないとみている。円高圧力が続くだろう」と指摘する。市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が物価上昇が落ち着いたとして、来年から利下げを始めるとみている。
 上田東短フォレックスの阪井勇蔵営業企画室室長も「日銀が出口に向かう一方欧米は利下げに転じるため、円高となる可能性がある」と見通した。
 8日の日経平均株価(225種)は、円高ドル安進行による輸出企業の業績下押し懸念から大幅続落した。野村証券の神谷和男ストラテジストは、今後1ドル=130円程度まで円高が進んでも「企業業績悪化には直結しない」と指摘。株価へのマイナス影響は短期的なものにとどまる可能性が高いとの見方を示した。