さびないカーボンワイヤを使い、耐久性に優れた「ハイブリッドプレストレストコンクリート(HPC)」を手掛けるHPC沖縄(浦添市)の技術が、2025年大阪・関西万博でパビリオン建設に採用される。コンクリートに二酸化炭素(CO2)を閉じ込める技術にも取り組んでおり、同社の阿波根昌樹社長は「沖縄のイノベーションを世界に発信する機会になる」と意気込む。
耐久性が高く薄さや軽さ、しなやかさも兼ね備えるHPC技術は、今年1月に「第9回ものづくり日本大賞」で経済産業大臣賞に選出された。万博ではアニメーション監督の河森正治氏によるテーマ館で使用される。
8日、那覇市内で開催された「沖縄・台湾フォーラム」でHPC技術について説明した阿波根社長は、欧州などでは温室効果ガスの排出量が削減量を下回る「カーボンネガティブ」が主流だと指摘。「大陸に比べ海に囲まれた沖縄でできることは限られている」と述べ、CO2を固定化した骨材をHPCに使えば、コンクリートにCO2を閉じ込めて貯留できるため、脱炭素化に貢献できると強調した。 (當山幸都)
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HPC沖縄、万博で採用 耐久性高いコンクリ技術
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琉球新報朝刊