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個人情報流出26億件 世界・21~22年 クラウド標的


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 世界の個人データの漏えい件数が2021~22年の2年間で計26億件に上ったとの調査報告書を米アップルが8日までに発表した。23年も被害は増加傾向にあり、大量の個人データが保存されたクラウドサービスが狙われている。アップルは、暗号化技術を活用してデータを保護する重要性を訴えている。
 アップルが米マサチューセッツ工科大のスチュアート・マドニック教授に調査を委託。マドニック教授は調査報告書で、ハッカーによる身代金要求型ウイルス「ランサムウエア」の攻撃は組織化され、クラウドを利用している組織で被害が相次いでいると指摘した。
 最近のケースでは、米国務省などで、委託先の米マイクロソフトがサイバー攻撃を受け、機密メールが盗まれた。日本企業は、トヨタ自動車でクラウド環境の設定ミスによる位置情報の漏えい問題が判明している。
 個人データ保護策として、データの送受信者以外は閲覧や変更ができない「エンド・ツー・エンド暗号化」の利用が広がっている。アップルがクラウドサービス「iCloud(アイクラウド)」で暗号化の対象データを拡大。米メタも通信アプリ「メッセンジャー」などでこの技術を搭載している。