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加熱式たばこ増税へ/防衛費財源に充当


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府、与党は12日、防衛力強化の財源を確保するための増税を巡り、たばこ税は加熱式を引き上げ、紙巻きと同水準の負担とする方向で検討に入った。
 加熱式は販売本数が増えているが、タバコの葉の使用量が紙巻きより少なく、税金が安いことに対応する。
 防衛増税の開始時期は早くても2026年となる方向だが、政府と自民党は14日にも決める24年度の与党税制改正大綱に「たばこ税は加熱式と紙巻きの負担の差を解消する」との内容を盛り込み、既成事実にしたい考えだ。
 ただ公明党内の一部に異論があり、大綱での表現は調整を続ける。
 たばこ税は最終的に1本当たり3円相当の増税とし、税負担を段階的に引き上げる方針が既に決まっている。政府、与党は加熱式と紙巻きの税負担を同水準にそろえた後、さらに税金を引き上げることも検討する。
 防衛増税はたばこ、法人、所得の3税を対象とし、政府は27年度時点で1兆円強を確保したい考えだ。増税の開始時期に関し、自民党の宮沢洋一税制調査会長は12日、記者団に「岸田文雄首相とも相談して今年は決定しないことにした」と説明した。事実上、25年開始は見送ることになる。
 たばこ税は国税、地方税を合わせて1本当たり約15・2円。20本入りで580円の紙巻きたばこの場合、価格の52・6%をたばこ税が占める。消費税を含めると61・7%が税金だ。加熱式は1本の数え方が紙巻きと異なるため、たばこ税は紙巻きの7~9割に抑えられている。