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景況感3期連続で改善 /日銀短観 自動車生産回復寄与


景況感3期連続で改善 /日銀短観 自動車生産回復寄与 日銀短観の大企業業種別業況判断
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 日銀が13日発表した12月の企業短期経済観測調査(短観)は、代表的な指標である大企業製造業の最近の景況感を示す業況判断指数(DI)が、9月の前回調査から3ポイント上昇のプラス12となり、3四半期連続で改善した。中小企業製造業は6ポイント上昇のプラス1で、4年9カ月ぶりにプラス圏に浮上。半導体不足で落ち込んでいた自動車生産の回復や製品の値上げによる収益改善が寄与した。
 大企業非製造業のDIは3ポイント上昇のプラス30だった。改善は2022年6月から7四半期連続で、1991年11月調査以来、約32年ぶりの高水準となった。新型コロナウイルス禍の収束による人出回復や訪日客増加が景況感を押し上げた。
 DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた数値。プラスは景況感が良いと感じる企業が多いことを示す。
 製造業の景況感は全16業種のうち10業種が改善した。自動車は13ポイント上昇のプラス28で、電気機械や非鉄金属の上昇にも波及した。金属製品や食料品も上昇した。一方、半導体需要の低迷を受けて化学は1ポイント下落のプラス2、業務用機械は2ポイント下落のプラス28となった。
 非製造業は全12業種のうち9業種が改善した。宿泊・飲食サービスは7ポイント上昇のプラス51となり、過去最高を更新。不動産は10ポイント上昇のプラス47、小売りは2ポイント上昇のプラス26だった。
 23年度の経常利益は、大企業の製造業が前年度比2・4%増、非製造業が7・6%増を見込む。23年度の設備投資も前年度を上回る見通しだ。
 3カ月後の先行きは、大企業製造業が4ポイント下落のプラス8で、大企業非製造業が6ポイント下落のプラス24と見込んだ。日銀によると、中国など海外経済の減速や人件費上昇、人手不足を懸念する声が多かった。