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年収多いほど 恩恵は小さく/高校生世帯の児童手当


年収多いほど 恩恵は小さく/高校生世帯の児童手当 児童手当支給と扶養控除縮小に伴う手取り増加額(政府試算)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 与党は2024年度の税制改正大綱に、高校生年代(16~18歳)の子どもがいる世帯の扶養控除縮小を明記した。所得税と住民税の負担が増えるが、新たに児童手当を支給するため、政府は全ての所得層で手取りが増えると試算した。ただ年収が多い世帯ほど手取り額が増える恩恵は小さくなる。
 児童手当は中学生までが対象だったが、政府は子育て世帯を手厚く支援するため、所得制限を撤廃し高校生年代も対象に追加。1人につき原則月1万円の支給を24年12月から始める。初回は24年10、11月分を支給する。
 一方、扶養控除は所得税で年38万円から25万円に、住民税で年33万円から12万円に縮小する。実施時期の決定は1年後に持ち越したが、所得税は26年以降、住民税は27年度以降となる方向だ。
 政府は児童手当の年間支給額12万円から控除縮小に伴う所得税と住民税の増加分を差し引いて影響額を試算した。夫婦のいずれかが働き、高校生年代の子どもが1人いる世帯をモデルとした。
 年間の給与収入が240万円以下の世帯で扶養控除を受けていない場合、手取り額は児童手当の12万円分増える。年収240万円超~558万円以下では9万2千円、558万円超~752万円以下では8万6千円と、年収が多いほど手取りの増加額は少なくなる。