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3製糖工場建て替え700億円/4割地元負担、見通し立たず


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 県内で老朽化が進む分蜜糖工場のうち、特に早急な建て替えが必要な「ゆがふ製糖(うるま市)」「石垣島製糖(石垣市)」「北大東製糖(北大東村)」の3工場の総事業費の見積もりが、約700億円に上ることが14日、分かった。同日開催された県議会の経済労働委員会(大浜一郎委員長)で県側が明らかにした。
 工場建て替え費用は、国の「甘味資源作物生産性向上緊急対策事業」で6割の補助が受けられる。残りの4割については地元負担となることや事業実施主体が決まっていないことなどから、建て替えの見通しが立っていない。
 県農林水産部に対し、委員からは「決断の時期が来ている」と指摘する声が上がった。県の前門尚美農林水産部長は「事業費の圧縮や実施主体についてだけでなく、国への予算支援も含めて引き続き取り組んでいく」とした。
 県内には粗糖を生産する分蜜糖工場が8社9工場あるが、ほとんどが築60年を経過しているため老朽化が激しい。特に建て替えが必要となる工場と事業費用について、県農林水産部糖業農産課の金城吉治課長は(1)うるま市のゆがふ製糖が約300億円(2)石垣島製糖が約260億円(3)北大東製糖が約138億円―と報告した。 
  (玉寄光太)