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インフル流行 警報級 沖縄最少、年末年始拡大懸念


インフル流行 警報級 沖縄最少、年末年始拡大懸念 1定点医療機関当たりのインフルエンザ感染者数
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 厚生労働省は15日、全国約5千の定点医療機関が4~10日に報告したインフルエンザの患者数は16万6690人で、1機関当たり33・72人だったと発表した。過去10年で最も早く警報レベルとされる30人を超えた。前週比1・26倍で、全都道府県で前週を上回った。国立感染症研究所の推計患者数は約111万8千人だった。
 新型コロナの感染者も3週連続で増加している。どちらも年末年始の忘年会や新年会で流行がさらに広がる恐れもあり、専門家は警戒を呼びかけている。新型コロナ対策でここ数年、インフルエンザの患者数が大きく減少。専門家によると、免疫を持つ人が少なくなり、例年より1カ月ほど早く感染が広がっているという。
 インフルエンザの警報レベルを超えたのは全国33道県。厚労省によると、都道府県別で1機関当たりの患者数が多かったのは、北海道60・97人、宮城57・49人、大分53・71人。最も少なかったのは沖縄9・67人。続いて秋田20・12人、東京20・30人。休校や学級閉鎖などとなったのは、6382施設に上った。
 例年冬に流行して春ごろに収束するが、今年は全国平均が流行の目安の1人を下回らないまま8月下旬から増加。10月には注意報レベルとされる10人を超え、異例のシーズンとなっている。
 多くの人は軽症で済むが、子どもが感染するとインフルエンザ脳症を発症したり異常行動を取ったりする場合がある。
 川崎市健康安全研究所の岡部信彦所長は「ワクチンの接種やマスクの着用、人混みの回避など、個人ができる対策は新型コロナと同じ。誰が重症化するか分からないので油断は禁物だ」と訴えた。