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コンテナ船 紅海航行停止/物流大手3社、配送遅れも


コンテナ船 紅海航行停止/物流大手3社、配送遅れも スエズ運河を通過しないルート
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日本の海運大手3社が設立したコンテナ船事業会社「オーシャン ネットワーク エクスプレス(ONE)」は20日、中東イエメン沖の紅海での航行を停止し、欧州への航路をアフリカ大陸の南端沖を経由するルートなどに変更すると発表した。国際物流の遅れや運賃上昇などが懸念される。コンテナ船以外の船舶でも大手3社が航路変更などを進めている。
 スエズ運河につながる紅海では、イエメンの親イラン武装組織フーシ派が商船への攻撃を繰り返している。日本郵船、商船三井、川崎汽船が出資するONEは19日までにコンテナ船の紅海での運航を停止した。
 アフリカ南端の喜望峰沖を通るルートは、スエズ運河を経由するより航海期間が1週間程度延びる。ONEのコンテナ船のうち、約2割がアジアと欧州の間を運航。期間が延びれば船の燃料が余計にかかることになり、運賃上昇につながる恐れがある。
 自動車運搬船などでも航路変更の動きが出ている。商船三井では、11月に日本郵船運航の自動車運搬船が拿捕(だほ)されたことを受け、イスラエルに関係がある船は全て紅海を通らない航路に変更した。川崎汽船も同様の対応を取った。明珍幸一社長は「状況を注視しており、変化に応じて素早く対処していきたい」としている。日本郵船は船主や荷主と協議した上で航路を選定するなどのテロ・海賊対策を取っているとしている。