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「人間中心」政府がAI指針案 人権配慮や偽情報対策を要求


「人間中心」政府がAI指針案 人権配慮や偽情報対策を要求 AI戦略会議のポイント
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は21日、AI(人工知能)戦略会議を開き、AI関連事業者向けのガイドライン(指針)案を提示した。人権配慮や偽情報対策を求める「人間中心」など10原則が柱だ。2024年初めにも一般から意見公募し、3月をめどに正式な指針を公表する。AIの安全性評価の方法などを取り扱う研究所を24年1月ごろに設けることも明らかにした。
 利用者の指示に基づいてコンテンツを作成する生成AIが急速に普及し、偽情報拡散やプライバシー侵害が生じている。指針案や研究所の活動によりAIの適切な活用を進め、生産性向上につなげる狙いがある。戦略会議は今後、指針案の履行確保に向けた制度整備を検討する。
 指針案は、先進7カ国(G7)で合意した国際ルールの枠組み「広島AIプロセス」の内容を踏まえた。10項目は「安全性」「公平性」「プライバシー保護」「透明性」などを含み、開発者やサービス提供者、利用者に共通して求める。
 人間の意思決定や感情の不当な操作を目的とせず、偽情報のリスクを認識した上で対策を要求。偏見や差別を排除し、AI単独ではなく、人間の判断を介在させる利用を検討することも求める。問題が生じた際に検証できるよう、AIの学習や判断根拠の記録保存も要請する。
 高度なAIシステムの開発者に対しては、AIが生み出した作品と識別できる「電子透かし」などの技術導入も促す。