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経済界、前年並み評価 沖縄関係予算 「もっと手厚く」の声も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2024年度の沖縄関係予算で、政府が前年度比1億円減の2678億円と決定したこと対し、県経済関係者はほぼ前年並みに維持されたことに一定評価しつつも、各個別の対策には「もっと手厚くしてほしかった」との声も漏れた。
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 沖縄振興一括交付金は10年ぶりに前年度比で増額となったことに、県経営者協会の金城克也会長は「公共事業関係費が前年並みで、ソフト事業についても必要な額が措置されている」と歓迎。揮発油税の軽減措置が要望通りの延長になったことにも胸をなで下ろし、県経済の発展に「県は着実に取り組んでほしい」と期待した。
 沖縄経済同友会の渕辺美紀代表幹事は「厳しい財政状況の中でほぼ同じ額になった」とほっとした。観光関係の新規予算やクリーンエネルギー関係の増額、スタートアップ関連の予算増額など「県が必要とする稼ぐ力の基となる事業の増額など沖縄経済を後押しする予算編成になっている」と評価した。
 一方、一括交付金は県が求める1千億円を4年連続で割り込んだことに、県商工会連合会の米須義明会長は一定評価しつつも「できればもっと中小企業対策をやってほしかった」と残念がった。県経済が上向きであることに触れながらも「物価高など楽観視はできない。好調さを止めないよう施策を展開してほしい」と話した。
 観光人材不足に関する対策事業が新たに措置された。沖縄観光コンベンションビューローの下地芳郎会長は「喫緊の課題への支援はありがたい。ただ5億円規模は沖縄観光の全体からするとまだまだという認識だ」と受け止めつつ、景観整備に関する予算について「美しい景観は観光客の満足度を高める。人手不足対策費と合わせて引き続き支援をお願いしたい」と話した。 (謝花史哲、與那覇智早)