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防衛、少子化対策で拡大 来年度予算案 財源後回しに危うさ


防衛、少子化対策で拡大 来年度予算案 財源後回しに危うさ 2024年度一般会計 歳出所管別内訳
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国の2024年度予算案は、財源の裏付けに不安を残したまま、防衛と少子化対策の支出を拡大した。金利上昇で国債の利払い費が急速に膨らむ中、借金頼みの巨額予算を続ければ、財政運営は行き詰まりかねない。財源確保の後回しは危うさをはらむ。 (1面に関連)
 防衛費は、27年度までの5年間に総額43兆円を投じる計画に基づき、1兆1277億円増やした。政府、与党は増税などで5年間の財源を確保するとしているが、国民からの批判を避けたいために、増税の開始時期を決められないでいる。
 少子化対策は、社会保障分野の歳出改革などを通じて、28年度までに年3兆6千億円程度の安定財源を確保する予定だ。しかし、暮らしに直結する医療や介護で国の負担額を削減するハードルは高い。
 国債を元手に少子化対策を強化する現状が続く可能性がある。
 24年度の国債の利払い費は1兆2187億円増える。岸田政権の看板政策だからといって、歳出改革や国民の負担増に手を付けず、国債を増発し続ければ、将来世代に回るつけは膨らむ一方だ。