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東電支援15兆4000億円へ/政府、原発賠償拡大受け


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は22日、東京電力福島第1原発事故に伴う賠償が拡大していることを受け、東電への資金援助となる交付国債の枠を現状の13兆5千億円から15兆4千億円に増額すると決定した。
 原発周辺からの避難者や処理水の海洋放出に伴う風評被害への賠償が膨らむ中、東電の支払いが滞らないようにする。同時に東電に対し、今回の増枠はさらなる経営改革が前提だとくぎを刺した。
 1兆9千億円増やす。原子力災害対策本部の持ち回り会合で決定した。斎藤健経済産業相は22日の閣議後記者会見で、「東京電力の賠償の取り組みに万全を期すためのものだ」と述べた。
 増額分の内訳として、昨年12月に被災者への賠償基準を見直して対象を拡充したことによる影響が5千億円、住宅賠償の上振れが5千億円、処理水関連の賠償が3千億円、帰還困難区域の一部で除染が実施されたことによる中間貯蔵費用の増額で6千億円を見込む。
 斎藤氏は22日、東電の小林喜光会長、小早川智明社長と経産省で面談し「今回の決定は経営改革を着実に進め、必要な資金を安定的に捻出してもらうことが大前提だ」と強調した。小早川氏は「グループの総力を挙げて必要な取り組みを実施していく」と応じた。