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本格コーヒー 販売増加 アルコール離れも追い風


本格コーヒー 販売増加 アルコール離れも追い風 コーヒーの家庭向け国内販売額
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 豆をひいてお湯を注ぐレギュラーコーヒーの家庭向け販売額が増えている。一方、インスタントコーヒーは減少傾向だ。新型コロナウイルス禍の巣ごもりを背景に、消費者が本格的なコーヒーを楽しむようになった。関連企業はアルコール離れの風潮も追い風と捉え、市場開拓を進めている。
 調査会社インテージによると、2022年のレギュラーコーヒーの家庭向け国内販売額は626億円と4年連続で増加し、23年1~11月も前年同期を上回って推移している。インスタントは22年まで2年連続のマイナスで、23年1~11月も前年を割り込んでいる。
 家電量販大手ビックカメラの有楽町店(東京都千代田区)では、コーヒーメーカーの品ぞろえを強化している。自動で豆をひいて抽出する商品が人気という。2万円前後で小型の製品がよく手に取られている。売り場担当者は「コロナ禍を機に幅広い年代で購入者が増えた」と話す。
 コーヒー粉の入ったカプセルを利用する製品も多い。UCC上島珈琲(神戸市)は、プロ水準の抽出ができるコーヒーマシン「ドリップ ポッド ヨウビ」の販売に力を入れている。スマートフォンのアプリを通じ、蒸らす時間やお湯を注ぐスピードを制御できる。カプセルとの組み合わせで、100通り以上の味を楽しめる。インターネットの公式ストア販売価格は2万4200円。
 UCC上島珈琲は11月から12月にかけ、マシンを使って夜にコーヒーを楽しむイベントを東京都内で開催した。コロナ禍で居酒屋から遠のいた若者は、喫茶店で会話する機会が多いという。「香りでリラックスできる」と、お酒の代わりとして新たな夜の過ごし方を提案している。