日本ホタテ輸出／韓、ＥＵに拡大

　政府は２５日、農林水産物の輸出拡大に向けた閣僚会議を開き、実行戦略を改定した。中国が日本産水産物の輸入を止めたことで特に打撃を受けているホタテに関し、新たな輸出市場を開拓する方針を掲げ、韓国や欧州連合（ＥＵ）などを対象に数値目標を新設した。
　農林水産物の輸出に継続的に取り組む「フラッグシップ輸出産地」（仮称）を２０２５年度までに全国で５０程度選定し、補助金などで支援する方針も盛り込んだ。
　農林水産物・食品全体の輸出額を２５年に２兆円に増やす目標は維持した。ホタテも全体で６５６億円とする目標額を据え置いた上で、韓国を４１億円、ＥＵを４５億円、タイを２４億円、ベトナムを５億円に拡大する国・地域別の目標を設けた。タイなどで殻むき加工して米国などへ再輸出する供給網の構築を進める。
　牛肉の輸出が伸びているイスラム諸国には５５億円の目標額を設定。戒律に従った製品であることを示す「ハラル認証」に対応した加工施設の整備を課題に挙げた。