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沖縄の優位性、宣伝強化を 黄志芳董事長(台湾貿易センター)に聞く バイオ医療、IT製品 連携可能


沖縄の優位性、宣伝強化を 黄志芳董事長(台湾貿易センター)に聞く バイオ医療、IT製品 連携可能 インタビューに応じる台湾貿易センターの黄志芳董事長=11月24日、那覇市のホテルコレクティブ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 新型コロナウイルス禍からの経済回復に伴い、沖縄と台湾の往来が活発化している。台湾政府の元外交部長で、11月に講演のため沖縄を訪れた台湾貿易センターの黄志芳・董事長(会長に相当)に、経済連携の可能性について聞いた。
 ―センターの役割は。
 「貿易促進のため世界の市場を開拓する台湾企業をサポートし、各地で商談会や見本市を開催している。台湾は主に欧米企業のOEM(ブランドの受託生産)を受注し、世界経済のサプライチェーンで重要な役割を担ってきた」
 「半導体産業では台湾が世界のハイエンド半導体の7割を占め、台湾の生産がないと世界が止まる。日本は重要なパートナーだ」
 ―沖縄で連携に可能性がある分野は。
 「2017年に台湾で沖縄への投資セミナーを開催した。コロナでさまざまなイベントが中止になったが、台湾と共通性は多く、日本本土とつながるいい懸け橋だ」
 「サービス業やバイオ医療、化粧品、基礎的なIT製品などに可能性がある。労働集約型ではなく、技術力を生かした付加価値型の産業がポイントになる」
 ―課題は何か。
 「米中貿易戦争の中で、多くのサプライチェーンが新たな生産拠点を探している。東南アジアへの輸出面でも沖縄への投資は利便性がある。沖縄の優位性の宣伝強化が必要になる。大切なのは相互交流を通じて、より多くの台湾企業が沖縄のユニークな優位性を理解することだ」
  (聞き手・當山幸都、呉俐君)