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全世界リコール1500万台超/燃料ポンプ デンソー製搭載車


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 デンソー製の燃料ポンプを搭載した自動車の世界でのリコール台数が、国内自動車メーカー6社と海外法人で1500万台を超えたことが26日分かった。ポンプの不具合で走行中にエンストを起こす恐れがあり、2019年以降、トヨタ自動車やホンダなどがリコールを繰り返してきた。7月には国内のホンダ車で死亡事故が起きるなど、影響が広がっている。
 各社が示した国外のリコール台数を共同通信がまとめた。最多は、日米で該当部品を搭載する全台数のリコールに踏み切ったホンダの833万台。21日に米国で17~20年型の「アコード」や「CR―V」など260万台のリコールを追加で発表し、トヨタの621万台を上回った。
 ダイハツ工業は137万台、マツダは87万台、スバルは20万台、スズキは18万台が対象とした。トヨタが外部生産の自社ブランド車も数えているため一部重複がある。
 国内ではこれまでに382万台超がリコールされた。今後も世界で拡大する可能性がある。
 問題のデンソー製の燃料ポンプは、内部の「インペラ」という樹脂製の羽根車が燃料によって変形し、作動不良を起こしてエンストする恐れがある。リコールが膨らんでいるのは、不具合の発生条件が複雑で対象車の絞り込みが難しいためだ。
 7月の死亡事故はエンストを起こしたホンダの軽乗用車が後続車に追突され、後部座席にいた男性が死亡。デンソーとホンダは遺族に謝罪した。メーカー各社は対象車の利用者に連絡を取り、部品の交換を進めている。