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中国 23年は元安、株安 景気回復期待が後退


中国 23年は元安、株安 景気回復期待が後退 人民元相場の推移、上海総合指数の推移
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 【上海共同】中国・上海外国為替市場の人民元相場は29日、通常取引の終値が1ドル=7・0920元となり、対ドルで前年末比2・0%安で今年の取引を終えた。同じく取引最終日だった上海株式市場は、代表的指標の総合指数が同3・7%安の2974・93と3000を割り込んで引けた。
 年初は厳格な「ゼロコロナ」の終了に伴う景気回復への期待から元、株式ともに値上がりしたが、不動産大手の債務危機などで回復の鈍化が表面化した年央以降は軟調な展開となった。
 元は1月に対ドルで6・7元台と元高が進行したが、5月には7元台に下落。9月に2007年12月以来の安値水準となる7・3510元まで下げた後は、米利上げ停止による金利差縮小が意識され、7・1元付近で推移した。上海株は景気減速が鮮明となった春以降は頭打ちに。年後半は海外資金の流出や、今月の中央経済工作会議で期待された政策が示されず、下落基調が続いた。
 来年の人民元相場ついて、市場関係者は「中国当局が過度な元安進行は容認しない公算が大きく、大幅な下落は想定しにくい」と話した。