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24年景気「拡大」73% 共同通信113社調査 消費回復見込む


24年景気「拡大」73% 共同通信113社調査 消費回復見込む 2024年の賃上げ意向
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 共同通信社は2日、主要113社へのアンケートをまとめた。2024年の国内景気が拡大基調と予想した企業は73%で、1年前の56%から増加。消費回復を見込み、経済活性化につながる賃上げに前向きな企業も目立った。ただ、為替相場の円安や物価上昇が先行きに影を落とす。その背景にある日銀の大規模な金融緩和策には正常化を求める声が増えた。
 24年の景気見通しは、「緩やかに拡大」としたのが81社(72%)、「拡大」が1社(1%)だった。理由は複数回答で「個人消費の回復」が85%と最も多く、「訪日外国人客の拡大」(65%)が続いた。消費主導の景気回復を展望する企業の見方を映した。
 「設備投資の回復」を挙げた企業は62%あった。北海道や熊本県では政府の支援を受けながら大規模な半導体工場の建設が進む。企業は脱炭素や省人化への対応にも積極的で、投資拡大への期待感は高い。
 一方、24年の景気が「横ばい」と答えたのは25社(22%)で、「緩やかに後退」との回答も3社(3%)あった。「後退」はなかった。
 横ばい、後退基調を予想する理由は「個人消費の低迷」が54%で最も多い。資源・原材料価格の上昇で物価高が続くことへの懸念が強いほか、海外経済の減速や、中東情勢など地政学リスクの深刻化に身構える姿勢も浮かんだ。
 物価高の逆風をはね返して経済を成長させるには、企業の賃上げが欠かせない。24年春闘や給与改定の対応方針を尋ねたところ「実施する予定だ」「前向きに検討している」が計43%に上った。ただ、未定とした企業もほぼ同数あった。
 日銀は春闘の結果などを見極め、マイナス金利解除といった金融政策の正常化を判断する構え。企業の賃上げが例年以上に重みを持つ1年となる。
 日銀に対しては「金融緩和を縮小し、金融政策の正常化を進めるべきだ」との意見が33%で、円安の是正を求める声が多かった。「大規模な金融緩和を続けるべきだ」との回答は9%。緩和継続への要望が強かった1年前から逆転した。
 今回の調査は23年11月下旬から12月下旬に実施した。各業界を代表する企業に依頼している。