有料

最大32万台リコール検討 ダイハツ 工場再開見通せず


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 認証不正により3車種の型式指定が取り消される見通しとなったダイハツ工業は17日、記者説明会をオンラインで開催し、国内生産の再開時期は見通せないと明らかにした。現在は1月末までとしている工場停止は延長するとみられる。国土交通省からリコール検討を指導された2車種の対象は最大で計約32万台だと説明した。
 国交省はダイハツ「キャスト」と、親会社トヨタ自動車のブランドで生産していた「ピクシスジョイ」の2車種は、基準不適合の可能性があり、リコールが必要な場合は届け出るよう指導していた。ダイハツはリコールの届け出について「緊急性をもって態度を決めなければならない」と説明。2車種は運転席側の側面が衝撃を受けるとドアがロックされ、救出できなくなる恐れがある。
 工場再開について広報担当者は「国交省が基準適合性を確認しているので、現時点で再開を見通せる立場にない」と述べた。15日に開いた部品メーカーへの説明会で同様の方針を伝えた。国交省は16日、道路運送車両法に基づき商用車3車種について、量産に必要な型式指定を取り消す方針を発表。ダイハツが設置した第三者委員会が認定した不正以外に、試験車両への不適切加工など新たに14件の不正を指摘した。ダイハツは「重く受け止めている」としつつ、隠蔽(いんぺい)は否定した。
 過度な事業領域の拡大による従業員の負担増加が不正の背景にあるとの反省から、今後は小型車開発をトヨタグループの他社が担うことも検討する。トヨタも16日に同様の方針を示している。