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国交省、型式指定取り消し ダイハツ不正 3車種、悪質と判断


国交省、型式指定取り消し ダイハツ不正 3車種、悪質と判断 型式指定取り消しの3車種
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 ダイハツ工業が自動車の大量生産に必要な「型式指定」の認証申請を巡り不正をしていた問題で、国土交通省は26日、道路運送車両法に基づき3車種の指定を取り消す行政処分を出した。トラックタイプのダイハツ「グランマックス」と親会社のトヨタ自動車ブランドで生産する「タウンエース」、マツダブランドの「ボンゴ」が対象。
 ダイハツは「多大なご迷惑をかけ深くおわびする。処分を真摯(しんし)に受け止め、法令順守を大前提に改革と再生に取り組む」とのコメントを出した。
 国交省によると、エアバッグの確認試験の際、タイマーで自動的に作動させる不正があった。取り消されてもユーザーが乗り続けることに法令上の問題はなく、ダイハツは社内検査で安全性を確認したとしている。
 ダイハツの第三者委員会が昨年12月、不正があったとの報告書を公表。国交省は立ち入り検査の結果、3車種の不正が特に悪質と判断し、指定取り消しに向けた手続きを進めていた。今月16日に業務運営体制の再構築などを促す是正命令を出し、1カ月以内の再発防止策の報告を求めた。
 ダイハツは国内で完成車の生産を全て停止。国交省の指導を受け、基準不適合の可能性がある「キャスト」とトヨタブランド「ピクシスジョイ」の2車種計約32万台のリコールを届け出ている。

<用語> ダイハツの認証不正 ダイハツ工業が車に不正な加工を施し安全性の試験を実施するなどして、大量生産に必要な「型式指定」認証を国内外の関係機関に申請していた問題。ダイハツが設置した第三者委員会は昨年12月、他社のブランド名で生産している車種を含め、国内外の64車種で不正があったとする報告書を公表した。