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秘密保護法 運用拡大へ/政府 経済安保補助法も指定


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は30日、国の安全保障に関わる特定秘密保護法の運用を拡大し、罰則付きで保全する「特定秘密」に経済安保分野の機微情報を含める方向で検討に入った。今国会に新法案を提出して創設する経済安保版の「セキュリティー・クリアランス」制度と一体で情報管理を強化する。特定秘密保護法を巡っては、国の恣意(しい)的な秘密指定により国民の知る権利が侵害されかねないとの批判が根強い。対象拡大により一段と懸念が増しそうだ。
 特定秘密保護法は防衛、外交、スパイ防止、テロ防止の4分野を対象とし、情報漏えいには最高で懲役10年を科す。新たなセキュリティー・クリアランス制度は情報保全を経済安保に広げるのが狙いで、国が身辺調査を経て認めた有資格者のみが情報を取り扱える枠組みを想定している。
 岸田文雄首相は30日の経済安保推進会議で「経済安保の重要情報を保護する制度を新法で創設し、特定秘密保護法とシームレスに(継ぎ目なく)運用していく」と強調。政府はこれまで経済安保の情報保全に関し、新制度で一括して対応する案を検討してきたが、秘匿性の高い機微情報は防衛など4分野に含まれるものとして特定秘密保護法で対応する方向で今後調整する。