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「引き下げ難しい」 人手不足や物価高騰で


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県内のレンタカーの単価の高止まりが続いている。コロナ前は過当競争が展開され、「薄利多売」(県レンタカー協会)が続いていたが、コロナ禍で需要が激減。深刻な経営難に陥り、倒産する会社や保有台数を大幅に減らす会社が相次いだ。需要が戻り、供給台数も追いついてきたが、人手不足や物価高などで単価を上げざるを得ない状況が続いている。
 19年以前は1日の単価が1万円を切るなど全国で最も低かった。沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)の調査によると19年11月の単価が平均8615円だったが、コロナ後は一転して単価が上昇。22年度は1件当たりの単価が2万3365円に倍増。23年度は2万5352円を見込む。
 OCVBによると、現在は観光需要の高まりとともにレンタカー供給台数も増え、価格競争が活発化してきている。23年10~12月の単価は2万1238円と、前年同期比で7・5%下がっており、担当者は「需要と供給のバランスが戻り、価格が落ち着きつつある」としている。
 県内のある事業者の単価は19年度比で上がっているものの、22年度比で5~10%低くなった。担当者は「レンタカー不足で台数が足りていなかった22年度付近で最も単価が高かったが、山は越えた感覚だ」と話した。
 だが、人手不足や物価高騰などもあり「コロナ禍前の水準に単価を引き下げるのは難しい」(県レンタカー協会)との見方が大勢を占める。
 同協会の白石武博会長は「コロナ前の価格は異常だった。正常化しているという認識だが、上がり続けるのはいいことではなく、全国と比較すべきだ」と指摘。「価格が上がる分、待ち時間の短縮などそれなりのサービスが求められる」と述べた。  (玉寄光太、與那覇智早)