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アッチャー社×海邦ベンダー 空手武具「釵」製品化 生産体制構築、需要対応へ


アッチャー社×海邦ベンダー 空手武具「釵」製品化 生産体制構築、需要対応へ 工場での製品化を実現した「釵(さい)」
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 空手関連事業を手掛けるアッチャーメイク(那覇市、上野昌史CEO)と金属加工の海邦ベンダー工業(糸満市、登川将光社長)は16日までに、空手・古武道の武具「釵(さい)」の製品化を実現した。これまでは職人による手作りが一般的だったが、世界的な空手人気による需要に対応するため、工場で大量生産できる体制を構築した。上野社長は「収益性を高め、沖縄空手に還元できるようにしていきたい」と語った。
 両社は県産業振興公社の支援を受け、県内の各道場に残る戦後にできた釵や師範を訪ね意見を収集するなど分析や試作品づくりを重ねた。最適な大きさや重心位置を調整し、最新の加工技術を取り入れるなどして商品開発に取り組んだという。
 製造については県内で機器を確保することが難しかったが、中国で部品製造を手掛けるハーバーゾーン日本(糸満市、崎濱秀和社長)の協力を得て、中国で生産体制を築くことができ、商品化のめどがついた。
 豊見城市の沖縄空手会館で会見した上野社長らは、海外の不良品が出回ったり、ネットで販売価格が跳ね上がったりする中、沖縄発で安定供給できる意義を強調。従来2~3万円で販売されてきた釵と比較しても重さの規定など「現代基準の品質に応える武具の生産に成功した」と胸を張った。年間1千セットの販売が目標という。
 問い合わせはアッチャーメーク空手事業部電話、090(4168)5659。 (謝花史哲)

空手・古武道の武具「釵」の製品化を発表する上野昌史CEO(左から2人目)と登川将光社長(同3人目)、崎濱秀和社長(左端)ら=16日、豊見城市の沖縄空手会館
工場での製品化を実現した「釵(さい)」