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子牛価格は下落


子牛価格は下落
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 家畜競りでヤギの価格が上昇する中、子牛は下落が続き、対照的な傾向が続く。JAおきなわによると、子牛価格の下落は、全国的な消費縮小のほか、資材高騰に見舞われた肥育農家が子牛を買い控えていることなどが要因だ。
 JAおきなわによると、2月に県内5市場で開催された子牛の平均取引価格は、税込み51万6231円(JA速報値)。採算が確保できる1頭当たり55万6千円を下回る状況が続いている。牛を育てる県内の農家からは「赤字経営が続いている。他でアルバイトをしないと生きていけない」と悲鳴が上がる。 食品全般の価格高騰に伴い、全国的に牛肉の消費が減ったことで枝肉が余り、子牛を買って育てる農家が在庫を抱えないよう買い控えることが多くなっているという。競りでは、価格が付かず成
立しない取り引きもある。
 一方、ヤギ価格は根強い人気が下支えする。伝統食材としてヤギ肉を食べる食文化がある沖縄は、コロナ禍の外食控えで需要が落ち込んだものの、食べる機会が戻ったこともあり、競りの高価格につながっている。
 古くから県民に「クスイムン」として親しまれ、疲労回復などを促す貴重なタンパク源として重宝されてきた。観光客らも好んで食べるようになり、需要がさらに拡大している。枝肉を在庫として抱える必要もなく、飲食店や業者ら競りの購買者も値段が高くても購入する傾向があるという。