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東南ア主要国、景気減速/GDP成長率、前年下回る


東南ア主要国、景気減速/GDP成長率、前年下回る 2023年の東南アジア主要6カ国の経済成長率
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 【シンガポール共同】東南アジア主要6カ国の2023年実質国内総生産(GDP)の成長率が19日出そろい、軒並み前年の伸び率を下回った。外需依存が強い国は中国など海外経済の停滞が、内需が強い国はインフレ圧力が響き、景気の減速感が強まった。
 輸出向け電子製品・部品が強いベトナム、マレーシアの成長率はそれぞれ前年比5・1%、3・7%だった。ともに8%台だった前年より伸び幅は大きく縮小、政府が立てた目標を下回った。
 製造業に加え、観光産業など海外依存が強いタイとシンガポールは、それぞれ1・9%と1・1%と低迷した。シンガポール貿易産業省は「(24年の)世界経済の下降リスクは引き続き大きい」と指摘した。
 一方、GDPの5割を個人消費が占めるインドネシア、7割を超えるフィリピンは、それぞれ5・05%、5・6%だった。
 三井住友銀行(在シンガポール)の阿部良太エコノミストは、今後経済は緩やかに改善すると予想し「輸出増に加え、米国やアジアの中銀が利下げに転じるとみられる。一方、リスクは中国経済の不透明感と、地政学リスクを受けた海上運賃の上昇が物価高につながることだ」と分析した。