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ホンダ 2万1500円回答 春闘 過去最高水準、マツダ続く


ホンダ 2万1500円回答 春闘 過去最高水準、マツダ続く 2024年春闘の主な回答状況
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 ホンダは21日、今春闘の賃上げと年間一時金(ボーナス)の要求に、いずれも過去最高水準で応じると労働組合側に回答した。賃上げは、賃金水準を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給分を含む総額で月2万1500円。2万円の要求への満額回答に加え、従業員の能力向上に関わる支援分をベアに上乗せした。3月の集中回答日を待たない早期決着は2年連続。物価高が続く中、大手メーカーが相場形成の先陣を切ったことで、自動車業界の中小企業への波及が期待される。
 マツダも21日、総額で月額1万6千円の賃上げ要求に満額で回答した。賃上げ額は過去最高で、ボーナスも5・6カ月分に満額回答。マツダの早期回答は約20年ぶり。
 ホンダの賃上げは確認できる1989年以降で最高額。賃上げ率は5・6%で、90年(6・2%)以来の水準となる。ボーナスは7・1カ月分。要求を上回る1500円は、過去の交渉で決まった自己研さんへの投資分を初めてベアに適用した。労組は取材に「変革に取り組む『人の力』を引き出すものだ」と評価した。
 一方、トヨタ自動車はこの日の労使交渉で、過去最高水準の要求に回答しなかった。労組側によると、佐藤恒治社長は「将来に向けて勇気を持って、さまざまな議論を進めていきたい」と述べた。自動車業界は電動化や自動運転技術の普及など環境が激変し、人材の争奪戦が激しくなっている。ホンダの青山真二副社長は回答について「職場の頑張りに報い、今後に期待するという強い意志の表れだ」と強調した。2023年4~12月期連結決算で、本業のもうけを示す営業利益が初めて1兆円を超えた好業績も追い風となった。
 ヤマハ発動機も21日、月額1万7400円の賃上げを求めた労組の要求に満額回答した。ボーナスも満額回答で、ともに過去最高となる。