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上場企業、最高益更新へ 24年3月期、47兆円突破


上場企業、最高益更新へ 24年3月期、47兆円突破 上場企業の純利益合計額
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 東京証券取引所の最上位「プライム市場」の上場企業を中心とする1430社の2024年3月期の純利益合計額が47兆円を突破し、過去最高の見通しであることが26日分かった。
 前期比で12・9%増となる。新型コロナウイルス禍の収束で人出や物流が回復し、外国為替相場の円安ドル高基調で輸出関連企業も伸びた。勢いは続きそうで、堅調な企業業績が株価押し上げに貢献している。
 SMBC日興証券が企業による業績予想などを基に集計した。
 日経平均株価は年明け以降、高値圏で推移し、22日に続き26日も史上最高値を更新。好業績は海外投資家を中心に日本株への期待が高まる材料とされる。
 製造業の24年3月期の純利益合計額は前期比15・7%増を予想する。非製造業は8・3%増と見通すが、電気料金の値上げが大きく反映される電気・ガスを除くと、3・7%の減益予想。
 業種別ではコロナ禍収束による需要回復で空運が67・6%増、陸運は15・2%増。自動車を含む輸送用機器は円安を受け、63・3%増を見込む。コロナによる損失に絡む保険金の支払いが縮小し、保険も2倍以上となる。
 一方、業績見通しを引き下げた全140社のうち、19社を占める化学は市況悪化で10・8%減の見通し。
 77・4%の大幅減益の海運は中東情勢の緊迫化が懸念される。
 SMBC日興証券の安田光チーフ株式ストラテジストは、全体的に業績が好調な要因を「値上げが浸透した一方、原材料価格が下がったことが追い風になった」と分析。今後は中国経済減速の影響に警戒感を示した。