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ネット証券、スマホと連携 新NISA 決済時にポイント付与


ネット証券、スマホと連携 新NISA 決済時にポイント付与 証券会社の付与ポイントやNISA口座数
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 1月から始まった新たな少額投資非課税制度(NISA)を巡り、インターネット証券がスマートフォン関連事業者との連携を強め、顧客獲得にしのぎを削っている。「貯蓄から投資へ」の流れで資産形成サービスは金融インフラの一部になりつつあり、スマホで気軽に始められる利便性の高さに加え、ポイント付与でお得さを打ち出す。
 日経平均株価(225種)が4日に史上初めて4万円を超え、資産運用を始めようという機運はさらに高まっている。
 「サービスの身近さや使いやすさが受け入れられている」。PayPay(ペイペイ)証券の番所健児社長は、広く浸透するソフトバンク傘下のスマホ決済サービス「PayPay」を基盤とする強みを強調した。
 顧客は30~40代が多く、昨年10月のNISA対応開始後、口座開設の申し込み数は20万件を突破。決済時に獲得したポイントを使う資産運用の疑似体験を入り口に、投資初心者に狙いを定める。大手ネット証券は口座数でSBI証券と楽天証券が首位を争い、マネックス証券やauカブコム証券、松井証券を引き離す。番所氏は「毎月の口座数はスピードを上げて増えている」と大手の一角入りを見据える。
 マネックスは1月からNTTドコモと資本業務提携を始めた。NISA口座開設者にdポイントを付与するキャンペーンを展開し、ドコモのスマホ決済アプリ「d払い」とマネックスの証券口座開設ページをひも付けた。「d払いからのクリックは非常に多い」とマネックスの清明祐子社長は言う。NISA口座数は48万で、ドコモとの提携効果が今後期待される。
 auカブコムのNISA口座数は29万。KDDI(au)が手がける金融サービス「auマネ活プラン」からau利用者の取り込みを図る。
 ネット証券はNISA口座の売買手数料を無料としている場合が多く、収益に結びつきにくい。ただ「資産運用の組み合わせを考えたときに、さまざまな商品を運用したい人は出てくる」(番所氏)との考えから、中長期的に取引の拡大につなげたいとの狙いがある。