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ネットTV、米2社が寡占 公取委 独禁法違反恐れ指摘


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 公正取引委員会は6日、インターネットに接続して動画配信サービスを利用できる「コネクテッドTV」の実態調査結果を公表した。コネクテッドTVの機能を制御する基本ソフト(OS)は、米国のアマゾン・コムとグーグルが日本国内で計60~80%の市場シェアを占めており、寡占状態が続けば、2社以外の動画配信サービス事業者が不当に締め出されるなど、独占禁止法違反や競争政策上の問題が生じる恐れがあると指摘した。
 アマゾンの「Fire OS(ファイアオーエス)」は40~50%、グーグルの「Android(アンドロイド)」は20~30%のシェアを持つことが判明した。公取委は、OS名は明らかにしなかったが、3位のシェアは10~20%、4位は5~10%としている。
 公取委は、2021年に国内普及率が3割超まで上昇したコネクテッドTVで「アマゾンとグーグルの支配力が強まっている」と分析。テレビ画面に表示される動画などを自社に優位になるように意図的に操作する懸念が拭えないなどとした。
 その上で、検索結果の表示基準をできるだけ開示し、競合他社が同等の条件で競争できるようにすることなどを挙げた。
 主要な動画配信事業者に対しては、動画の提供元への対価を抑えることがないよう、十分に交渉することなどを求めた。
 アマゾンは、民放各局の番組が見られる「TVer(ティーバー)」などから、広告収入の30%を徴収する方針を示している。公取委は事業者に不当に不利益を与えかねないとして、当事者間の協議を注視する考えだ。