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日航ベア33年ぶり高水準 春闘回答、月額1万2000円


日航ベア33年ぶり高水準 春闘回答、月額1万2000円 日本航空のベースアップ水準の推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 日本航空は8日、今春闘で基本給を底上げするベースアップ(ベア)は月額1万2千円で応じると労働組合に回答した。1991年以来、33年ぶりの高い水準となる。定期昇給と合わせた賃上げ率は平均6・0%で、一時金は年間で月給4カ月分の支給を基本とすることも示した。
 この日はJR東日本やスズキも労組に大幅な賃上げを提示。大手企業では労組の要求に応える過去最高水準の回答が相次いでおり、物価高を上回る賃上げが実現する機運が醸成されつつある。
 今後は他の大手や地方の中小企業にまで賃上げが行き渡るかどうかが焦点になる。自動車や電機など主要製造業は13日に集中回答日を迎える。連合によると、傘下労組が要求した賃上げ率は4日時点で平均5・85%。
 日航のベアは2年連続。一時金も好業績であれば4カ月分を超えて支給する。2019年に千円のベアを決めたが、新型コロナウイルス感染症の影響で人の流れが大きく鈍った20~22年は実施を見送った。23年は7千円で、24年はこの水準からさらに引き上げた。最大労組の要求はベア1万5千円だった。
 航空業界は地方空港などを含めた業界全体の待遇改善が急務となっており、日航の回答はこうした現状を踏まえたものとみられる。航空連合の内藤晃会長は「航空産業全体への良い波及効果を期待したい」と前向きに評価した。