参院政倫審、３２人審査対象　自民裏金　世耕氏、公開で出席へ

　自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件を受け、参院の政治倫理審査会は８日、野党が申し立てた自民議員ら３２人を審査対象にすると全会一致で議決した。これを受け安倍派の参院側会長だった世耕弘成前参院幹事長は記者団に「出席したい。全て公開で構わない」と表明した。安倍派は参院選の年、改選を迎える議員に全額還流していたことが分かっており、事情を知る立場にある世耕氏の説明が論点になる。
　世耕氏のほか、安倍派の西田昌司氏も「出席する。報道関係者にも１００％公開だ」と述べた。審査対象の議決に３２人を出席させる強制力はないため、本人の意思確認が必要となる。実際の出席人数は見通せていない。１４日にも開催する方向で与野党が調整を進める。
　野党側幹事の吉川沙織氏（立憲民主党）は「全会一致で決めた以上、実態解明に近づく審査にしなければならない。一人でも多く出席し、説明してほしい」と求めた。
　政府与党連絡会議で岸田文雄首相は「あらゆる場で説明責任を丁寧に果たすよう関係者に促す」と述べた。