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電機ベア1万円以上決定 春闘あす集中回答 政労使会議開催へ


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 今春闘の集中回答日を13日に控え、大手企業による高水準の賃上げ回答が相次いだ。日立製作所など電機各社の労働組合でつくる電機連合は11日、今春闘で基本給を底上げするベースアップ(ベア)の妥結を受け入れる最低水準を月額1万円以上にすると決定した。岸田文雄首相は労働団体、経済界の代表者と話し合う政労使会議を13日に開くと表明。賃上げの流れを中小企業に波及させる方策を協議する。
 11日は全日本空輸がベアを月1万1千円で実施すると労組に回答。33年ぶりの高水準という。ソフトバンクはベアや定期昇給を合わせて平均5・5%の賃上げを実施することで労組と妥結したことが判明した。過去最高を更新したという。
 集中回答日を前に最低ラインを確認した電機連合の関係者は「回答が下回れば、ストライキも辞さないという『歯止め』の位置付けだ」と強調した。長引く物価高騰による生活への影響を踏まえ、電機連合の最低ラインは5千円以上とした昨年から倍増した。各社の労組は月額1万3千円を統一要求している。
 昨年の春闘では、電機各社は統一要求額を7千円とし、満額回答が相次いだ。これに対し、今春闘は東芝が2023年4~12月期連結純損益で赤字を計上し、シャープはディスプレー事業が不振に陥るなど経営の苦戦も背景にあり、各社で対応がばらつく可能性もある。