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著作無断使用を懸念 AI指針で政府に意見


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 政府は14日、AI(人工知能)関連事業者向けのガイドライン(指針)案を巡る意見公募の結果を公表した。事業者がAI開発に当たって他人の著作物を無断で利用することへの懸念が相次いだ。規制強化を求める声があった一方、技術の進歩や普及が滞ることを恐れる慎重意見も目立った。政府は月内にもAI戦略会議を開き、正式な指針を示す方針だ。
 指針案は「人間中心」など10原則が柱。AIの安全安心な活用を促すとしているものの法的拘束力はない。政府は昨年12月に指針案を公表し、今年1~2月に意見を求め、個人や企業から計約4千件が集まった。
 急速に普及が進む生成AIを利用すれば文章や画像、動画を簡単につくることができる。事業者は開発時に大量のデータをAIに学習させているが、意見公募では、著作物の無断学習を規制すべきだとの声や、著作権を侵害しないよう、AIによる文章や画像の出力に「制限をかけるべきだ」という訴えが寄せられた。
 偽情報の生成を技術的に防ぐ措置を求める提案もあった。複数の法人・団体が、規制強化は技術革新の取り組みを阻害すると懸念を示した。
 政府は寄せられた意見に「今後の更新、改訂に当たって参考にする」などの考えを示した。14日に公表した最新の指針案は、昨年12月から小幅な修正にとどまった。