有料

パート賃上げ6.45% UAゼンセン、過去最高 イオンから全国に波及


パート賃上げ6.45% UAゼンセン、過去最高 イオンから全国に波及 加盟労組の妥結状況が記されたUAゼンセンのホワイトボード=14日午後、東京都内
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 小売りや外食、繊維などでつくる、連合傘下で最大の産業別労働組合「UAゼンセン」は14日、今春闘の平均賃上げ率がパートタイムで6・45%、正社員で5・91%といずれも過去最高になったと発表した。全国に店舗があるイオンのグループ各社が競合他社に先駆けて大幅なパートの賃上げを打ち出したことで、人材確保に危機感を持った地方のスーパーやドラッグストアなどがパートの賃上げに応じたという。
 東京都内で記者会見したUAゼンセンの松浦昭彦会長は「正社員とパートの格差を是正するような賃上げだ」と評価。「今年は首都圏と地方の格差も昨年よりも小さくなっている」とした。
 平均賃上げ率は正社員が月給ベース、パートが時給ベース。パートの賃上げ率が正社員を上回るのは2017年春闘から8年連続で、就業形態による格差の解消が進んでいるという。松浦氏はまた、地方の中小企業の賃上げには適切な価格転嫁が必要だとも指摘した。
 UAゼンセンは14日午前10時時点の妥結状況を集計した。正社員は127組合、パートは104組合が妥結。契約社員も含めて計約80万人の賃上げが決まった。例年よりも妥結が早く、満額回答の企業が多かったことも特徴という。
 個別企業のパートの賃上げ率では、イオングループでドラッグストアのウエルシア薬局の7・95%、総合スーパーのイオンリテールの7・02%、家電量販店のビックカメラの7・03%が目立った。
 正社員の賃上げ率は、ビックカメラが11・83%、イオンリテールが6・39%だった。家具や日用品を販売するニトリは6・00%。