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「ファナック」が 97億円申告漏れ 国税、所得移転指摘


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東証プライム上場の大手工作機械メーカー「ファナック」(山梨県忍野村)が、国内で計上すべき所得を台湾の子会社に移したとして、東京国税局から2021年3月期までの3年間で約97億円の申告漏れを指摘されていたことが15日、関係者への取材で分かった。過少申告加算税を含めた追徴額は約22億円とみられる。国外への所得流出を防ぐ「移転価格税制」を適用した。
 同社は共同通信の取材に、適切な取引価格に基づき納税を行ってきたと文書で主張。「当局との見解の相違が解消されない中で更正処分を受けた。二重課税の排除を求めるべく、法令にのっとり必要な措置を講じていく」としている。
 関係者によると、同社は台湾の子会社に対し、工業用装置や産業ロボットなどを適正とされる価格より安く設定して販売した。
 国税局は、子会社の利益率が同業他社より高いことなどに着目。納税額を低く抑えるため、国内で計上すべき利益を海外に移転したと判断したもようだ。