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3カ月でCF支援11億円 熊本地震の30倍に上る会社も


3カ月でCF支援11億円 熊本地震の30倍に上る会社も 能登半島地震の復興支援の資金を募るクラウドファンディングのサイト
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 能登半島地震の復興支援のクラウドファンディング(CF)で集められた資金が、地震発生から3カ月で少なくとも11億円以上に上ることが5日、CFを運営する大手各社への取材で分かった。同様に大きな被害が出た2016年の熊本地震と比べ30倍に上った社もある。資金調達手段としての認知向上や、寄付に対する国民意識の変化が背景にあるとみられる。
 CFは、社会問題解決や商品開発などに、活動を支援したいと思う人から資金を募る。各社は能登地震発生以降、手数料を割り引くなどして復興支援のプロジェクトを募集した。
 国内初のCF企業とされる「READYFOR(レディーフォー)」では、4月1日時点でプロジェクト120件が立ち上がり、約3万8千人から約7億円が集まった。1件で1億円以上のものもある。発生3カ月で比べると熊本地震や18年西日本豪雨の20倍以上。個人で事業をする人が、能登で自ら復興していこうという動きが盛んなのが今回の特徴という。
 プロジェクト件数が国内最大級の「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」でも、4月1日時点で約3億1千万円が集まり、熊本地震の約30倍に。同社は、自らが主体となって、輪島塗業者103社を支援するため、輪島漆器商工業協同組合と提携したプロジェクトを始め、500万円以上を集めてもいる。
 物づくり事業者の活用が多い「Makuake(マクアケ)」にも9千万円以上が集まった。被災した酒蔵が共同醸造できるようなプロジェクトなどを公開。担当者は「CFの理解や認知が進んだのが数字に表れており、今回は桁違いだ」と説明する。
 関西学院大の石田祐教授(災害復興)は「寄付をする側は活動内容を知ることができ、募る側も情報発信できるプラットフォームの存在が大きい。社会貢献への意識が高まる中、災害復興の支援は特に共感を呼びやすい。CFが活用される傾向は今後も続くだろう」と話した。