有料

米、日本産牛肉関税上げ 4年連続で優遇枠超過


米、日本産牛肉関税上げ 4年連続で優遇枠超過 米国への日本産牛肉の輸出量の推移
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 米国が日本産を含む牛肉の輸入関税を2月28日に引き上げたことが5日、分かった。日本やブラジル、オランダなど複数国から輸入した牛肉の関税を合計で年6万5005トンまで1キロ当たり4・4セント(約6・7円)に優遇する枠を超えたため、価格に対して26・4%の高関税になった。枠超過に伴う関税の引き上げは4年連続。高関税は2024年末まで続く。和牛の輸出に逆風となりそうだ。
 米国は日本産牛肉を対象とする個別の低関税枠を設けていたが、20年1月発効の日米貿易協定で日本を含む複数国が対象の枠に統合された。枠の突破は4年で最も早く、低価格で競争力のあるブラジル産の輸入が増えたことが要因とみられる。
 日本にとって、米国は香港、台湾に次ぐ3番目の牛肉の主要な輸出先で、23年は1143トンを輸出した。ただ農林水産省によると、23年は優遇枠の98%をブラジル産が占めた。
 坂本哲志農相は5日の記者会見で、米国が日本産牛肉の関税を引き上げたことに関し「事業者から、低関税枠の早期消化は想定しているところであり、消化後も安定した輸出を継続していくと聞いている」と説明した。